サプライチェーンの一貫最適化(情報・技術の活用)
DX戦略
~ICTの高度活用による、サプライチェーン一貫での新たな価値創造~
当社は、徹底した商社業務のデジタル化を図り、サプライチェーン一貫での効率化を推進して、流通改革の実現を目指します。鉄鋼事業では、加工センターを含む広い範囲をカバーする鋼材流通DXプラットフォームとして、下記概要の通り、発注業務、財源管理、取引データ授受、加工拠点の管理に関する4システムを2021年度から2023年度上期にかけて本番化し、今後更に機能拡充・拠点展開を推進します。このDX戦略により、当社はサステナブルな流通改革を実現し、社会における新たな価値の創造を目指していきます。
DX施策の概要
- 入票システム改善(SPOD)
- 発注業務の標準化及びチェック機能の強化により、精度向上・効率化を進め、人為的ミスのゼロ化を図る。
- 自動財源管理システム(N-SCM)
- リピート取引分野における財源管理の自動化により、状況変化への対応迅速化を図る。
- 取引先ポータルサイト(NST Business Online)
- 取引先とのインターフェース基盤を新規構築し、取引データ授受の円滑化と効率化を図る。
- 新コイルセンターシステム(EXCS/エクシス®)
- 当社子会社コイルセンターの基幹システム刷新・統一化を図る。
上記DX施策に、RPAや電子署名サービス等の効率化ツール導入を組み合わせ、総合的な業務のデジタル化、ペーパーレス化を推進。
DX推進体制
2020年7月に設置されたDX推進部では、各事業本部にもDX推進部兼務者を置き、鉄鋼事業に限らず全社を対象に、ICT活用によるビジネスプロセスの改革を検討・推進しています。また経営と一体になった運営を図るため、DXプロジェクトのロードマップを定期的に経営会議に報告しています。
DX人財の育成
本番化したシステムを十分に活用し、流通改革・企業変革をグローバルなレベルで推進するためには、経営幹部の意識改革に呼応する形で、システム的思考・データドリブンな思考のできる人財、デジタル視点で新たな価値創造ができる人財を育成していくことが重要です。
当社では、2023年上期に役員・経営幹部に向けた講演会を実施したほか、各職場でDXのけん引役になるリーダー層の育成を目指した研修を企画しています。また、従来より全社員にITパスポート試験の受験を推奨してきたことに加え、日常業務で使用するICTツールの研修を進め、社員全員のICTリテラシー向上を図っています。
DX関連情報の発信
当社では日鉄物産グループ社員向けのグループ報にてDXの推進状況を随時紹介し、社員の意識向上を目指しています。
当社では2019年より本格的にRPA※の導入を開始しており、2023年度で5年目となります。毎年20台前後のロボットを開発し、2023年4月末時点で82台が稼働(開発中:8台)しています。利用部署も全社の過半数を超え、多くの利用者の業務効率化に寄与しており、今後も随時導入を進めていきます。
- ※パソコン上で人が行っている定型作業をロボットに覚えさせることで作業を自動化、代行してくれるソフトウエア。単純な繰り返し業務やシステム間をまたぐ業務(転記など)を対象とし、大幅な業務効率化と転記などの単純なミスの削減を図ります。
当社では、ノーコードツール※及び生成AIツールの導入も進めており、更なるDX化に取り組んでいきます。
- ※コードを書かずに開発を行う手法。プログラミングの知識なく、Webアプリ開発やWebサイト制作ができ、この手法を用いることで、開発にかかる時間の短縮や、外注費用の削減が期待できます。