人的資本の拡充
当社グループは、これまで付加価値生産性の向上と製造・販売拠点の再編・統合・撤退に取り組み、固定費・一般管理費の削減を行ってきましたが、今後は、カーボンニュートラル等の新規需要分野や海外成長市場で更なる事業拡大を図るべく、人的資本を拡充し、利益成長を支える人財確保及びプロフェッショナル人財の育成に注力し、今後伸びゆく分野・地域へ営業戦力を重点投入していきます。

利益成長を支える人財確保
持続的な利益成長を実現するためには、成長戦略を推進していく多様な人財の確保が必要不可欠です。多角的な視点から顧客のニーズを掘り起こし、そのニーズに的確に対応できるプロフェッショナル集団へと、今後より一層進化していくために、新卒採用やキャリア採用の拡大を積極的に実施しています。また、2024年10月より、アルムナイ(当社を退職した社員)採用及び配偶者の海外転勤による同行休職制度を導入しました。



学生向けイベント・インターンシップの実施
2023年度は2daysワークショップと5daysインターンシップを実施しました。2daysワークショップでは商社ビジネスの基礎理解をはじめ、当社社員の経験事例を題材にしたワークを通して当社のキャリアを体感できる内容となっています。5daysインターンシップでは、社員にヒアリングを行いながら学生目線で新しい商社ビジネスを提案していただき、当社で働く醍醐味を存分に体感できるような内容となっています。
プロフェッショナル人財の育成・人財の活用
企業理念に「人を育て人を活かし、人を大切にする企業グループを創ります。」と定めている通り、人財育成は重要な経営テーマの一つです。「社会に貢献する強靱な成長企業」として、継続的な企業価値の向上を実現するためには、新たな製品やサービスの開発、新規開拓や生産性の向上などの取り組みを通じて、会社の成長戦略を具現化していくプロフェッショナル人財が不可欠です。当社では、社員一人ひとりの自己成長への意欲、努力を後押しする様々な成長の機会を提供するとともに、次世代を担う管理職及び管理職候補者の育成や、グローバル対応力及び専門性の強化等の能力開発施策を用意し、プロフェッショナル人財の育成に注力しています。また、人財ローテーションの制度化など、人財の活用に向けた取り組みも進めています。
能力開発は、OJTを基盤とし、様々な階層別研修や専門研修等の集合研修を組み合わせて実施しています。業務遂行知識を深めるための若手社員研修をはじめとして、マネジメントのあり方やグループ経営力強化に資する知識・スキル習得を目的とした管理職研修、幅広い事業領域で活躍する人財育成を目的としたグローバル研修などを実施しています。また、学びたいカリキュラムを選択して受講できるオンライン学習など、社員が自律的に学習できる体系も整備しています。
2023年度から2024年度にかけては、各事業本部の若手社員15名が、自らがありたい姿に自律的に成長するために必要な仕組み・制度について議論し、自分たちの考えを経営陣に提案するCDP(キャリアデベロップメントプログラム)研修を新たに実施しています。

グローバル研修
海外展開を積極的に進めるうえで、グローバル人財の育成は重要なテーマです。当社では、社員がグローバルに活躍できるように様々な制度や研修プログラムを用意しています。
海外チャレンジ制度
海外事業展開のための人財拡充・強化を目的とした選抜制の海外研修制度です。総合職3年目~15年目の社員を対象に、半年~1年程度の語学研修のみの「語学コース」と、語学研修に加えて海外にて実務研修を行う「語学+実務コース」があります。
新人短期海外研修
新入社員(総合職)を対象に、配属事業本部を問わず全員が海外のグループ会社や取引先等への出張を経験できる制度です。早期にグローバル人財を目指す意識の定着と、現場主義の徹底を図ることを目的に実施しています。
海外トレイニー制度
日本製鉄グループの中核商社として、伸びゆく海外での事業拡大に必要となる海外人財の育成・拡充を目的に、鉄鋼事業本部において『海外トレイニー制度』を導入しました。1年半から2年程度海外現地法人もしくは事業会社へ出向し、実務を担当することでグローバル対応力を培います。