安全、品質管理、コンプライアンス
各種リスクのうち、特に「安全」「品質」「コンプライアンス」において、経営に重篤な影響を及ぼす可能性がある重大リスクの抽出と、その根絶に向けた対策の検討・実行につき、各事業本部と機能部門の連携に加え、全社横断的取り組みの更なる強化に注力しています。
安全への取り組み
鉄鋼事業本部(技術・安全統括部)
鉄鋼事業本部では、「重大災害ゼロ、休業災害・不休業災害撲滅」を目標とし、右記3点を重点施策として自律的安全活動に取り組んでいます。
- 重点施策
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- 1.安全意識のレベルアップと安全ルールの徹底
- (1)意識しない不安全行動の抽出と撲滅
- 現場目線に立った不安全行動の洗い出し
- 作業者同士の自発的安全活動の展開 (小集団活動、相互の声掛け)
- (2)安全ルールを身に付けさせる教育・指導
- 安全ルールがわかりやすい作業標準書への見直しと周知徹底
- 安全ルールの理解と危険感受性の向上 (KYT、類災検討などで訓練)
- (3)隠れたリスクの掘り出しと低減の継続
- (1)意識しない不安全行動の抽出と撲滅
- 2.暑熱対策の継続
- 職場の環境改善(空調服着用、スポットクーラー設置 など)
- 暑熱時のルール見直し(休憩間隔、休憩回数、休憩場所 など)
- 無理のない作業計画・無理をさせない職場風土(声掛け運動 など)
- 3.化学物質規制に対する自律的管理化活動の継続
- 1.安全意識のレベルアップと安全ルールの徹底
産機・インフラ事業本部(産機・インフラ企画部)
- 重点施策
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- 1.安全自主監査の進捗確認によるフォローアップ
- 各製造現場において、安全自主監査をもとに自ら改善課題の抽出と解決に向けた取り組みを継続できる体制を確立し、更に強化できるようサポート実施
(注)食糧事業本部「加工食品における異物混入対策」については「品質管理への取り組み」に記載
- 1.安全自主監査の進捗確認によるフォローアップ
品質管理への取り組み
鉄鋼事業本部(技術・安全統括部)
DX推進部によるシステム対応と並行し、ヒューマンエラー発生を防止するためチェック項目数の削減とダブルチェックの徹底に取り組んでいます。
- 重点施策
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- 1.営業部での入票業務のモニタリングによる再確認
- 注文入票業務及び加工発注業務を対象とし、ダブルチェック実施状況の確認・適正化と業務標準文書への反映
- 注文データのマスタ化と整備推進
- 2.関係会社における重点管理項目の改善支援
- 人手排除を念頭として、バーコード化の推進、測定値の自動転送・判定化の推進
- 3.営業・関係会社サポート活動
- 1.営業部での入票業務のモニタリングによる再確認
産機・インフラ事業本部(産機・インフラ企画部)
- 重点施策
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- 1.モビリティ事業推進部/機能マテリアル部の重点仕入れ先への指導の徹底と継続的モニタリングの実施
- 2.事業本部内に技術系品質保証専任者を置き、カーメーカー他需要家への品質対応、ならびに各サプライヤーへの品質管理指導体制を構築
食糧事業本部(食品安全部)
食品安全部にて、加工食品における異物混入(アレルゲン混入を含む)対策に取り組んでいます。
- 重点施策
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- 1.加工工場の厳選に加え、副資材を含む成分分析の徹底とトレースの実施
- 2.生産サイドにおけるリコールトレーニングの深化
- 3.責任の所在が明確でない場合の損害発生を担保するため保険を付保
- 4.人財拡充(ベテラン社員の登用による安全対策の更なる向上)
DX推進部
品質管理においては、人手を介する部分はリスクゼロとはなりません。当社ではDX推進部にて、メーカー・流通・顧客一貫での業務のデジタル化に取り組み、品質リスクのゼロ化に挑戦しています。
- 1.自動財源管理システム(N-SCM)
- リピート取引分野における財源管理の自動化により、状況変化への対応迅速化を図り、材欠・異材出荷トラブルを防止
- 2.入票システム改善(SPOD)
- 発注業務の標準化及びチェック機能の強化により、精度向上・効率化を進め、人為的ミスの根絶を目指す
- 3.新コイルセンターシステム(EXCS/エクシス®)
- 当社子会社コイルセンターの基幹システム刷新・統一化を図る
- ※3システムとも2023年度までに本番化しており、引き続き機能拡充・品種分野展開・拠点展開を推進中です。また、これらとは別に本番化済みの取引先ポータルサイト「NST Business Online」と連携することで、商社業務のフルデジタル化が更に進むよう、総合的な開発を行っています。
コンプライアンスへの取り組み
内部統制システムに関する基本的な考え方
当社は、日鉄物産グループの「企業理念」「経営方針」及び「社員行動指針」に基づき、コンプライアンス重視の基本姿勢を明確にしています。これらに基づき、内部統制システムを整備し適切に運用することで、コーポレートガバナンスを一層強化するとともに、コンプライアンス、財務報告の信頼性及び業務の有効性・効率性の確保に努め、その継続的改善を図っています。
- 1.業務執行における内部統制(3つのディフェンスライン)
- 当社は、営業部門等の第一ディフェンスライン、企画管理本部各部と各営業企画部等で構成される機能部門による第二ディフェンスライン及び内部統制・監査部門による第三ディフェンスラインの3つのディフェンスラインによって内部統制システムを構築・整備しています。
- 2.当社グループ内部統制システム
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当社及び各子会社は、業務の適正性を確保するため、当社グループの「企業理念」「経営方針」及び「社員行動指針」を基礎とし、社内諸規程を制定するとともに、各事業本部及び各子会社の事業特性を踏まえつつ、事業戦略を共有し、グループ一体となった経営を行います。
当社各業務執行取締役、各執行役員、各部店長等及び各子会社の取締役等は、当社グループの「企業理念」「経営方針」「社員行動指針」及び諸規程を社員に対し周知・徹底するとともに、遵守状況の自主点検やモニタリングを行います。各子会社の管理に関しては、「関係会社管理規程」及び「関係会社管理基準」等に基づき、当社における各社の主管部が担当し、各主管部が属する事業本部を統括する執行役員の責任のもと、その適切な運用を図ります。更に、当社業務執行取締役、執行役員及び社員を各子会社に対し、必要に応じて取締役または監査役として派遣し、業務執行の適正性を確保します。
内部統制・監査部門は、機能部門と連携し、当社及び各子会社における内部統制システム整備に対する指導・助言を行うとともに、当社と各子会社との情報の共有化等を行い、内部統制に関する充実を図ります。また、当社及び国内外関係者の社員全員を対象とした内部統制に関する意識調査アンケートやeラーニングを実施して内部統制に対する意識の向上を図っています。
内部通報制度(コンプライアンス・ホットライン)
当社は、当社及び各子会社の社員等に向けて、事業遂行上のリスクに関する内部通報・相談窓口としての「コンプライアンス・ホットライン制度」を設置・運用しており、通報等に関する秘密の保持を図り、通報者に対して不利な取り扱いを行いません。また、2024年6月1日からは従来の社内相談窓口に加えて、日本製鉄が設置する「コンプライアンス相談室」も利用可能となりました。通報者が安心して通報、相談できるよう外部の専門業者に委託した窓口も設置しており、制度の充実と継続的な改善を図っています。
