人財力

世界を歩いた原点が、
信頼を育てる

竹下さん 薄板営業部

2026年4月16日

学生時代から入社まで、そして日鉄物産を選んだ理由を教えてください。

私の原点は、学生時代のバックパック旅行にあります。インドや東南アジア、ヨーロッパ各地を旅し、多様な価値観や生活に触れたことで「自分も社会の役に立ちたい」「世界とつながる仕事がしたい」と強く感じるようになりました。就職活動ではインフラやエネルギーを軸に商社を中心に検討し、住金物産(現・日鉄物産)は、総合力と事業分野のバランスの良さ、採用面接や説明会で感じたフラットな雰囲気に魅力を感じました。自分らしく会話ができる職場こそが一番だと考え、最終的に「ここでなら自然体で成長していける」と思い入社を決めました。最初の配属は希望していたインフラ事業ではなく薄板鋼板の営業。国内での現場経験からスタートしましたが、「最前線の現実を肌で感じること」が後の財産となりました。

海外駐在や最大の挑戦について、その舞台裏や実体験を教えてください。

入社6年目、ベトナム・ハノイにあるコイルセンターへの駐在が決まりました。長年希望していた海外勤務でしたが、実際は事業会社の立て直しという“試練”でもありました。当時28歳の私が日本人3名体制のナンバー2として現地に入り、在庫や受発注の管理、スタッフ教育まで全てを見直す必要に直面しました。ベトナムは年長者を尊重する文化が強く、上司であっても年少者は信頼を得ることが難しいですが、「一つずつ誠実に結果を出し、言葉でなく行動で信頼される」ことを自分に課しました。
やがて、現場スタッフの抜擢や役割分担の見直しを進めることで、徐々に職場の雰囲気や業績にも変化が現れるようになったのです。

最大の危機は2020年の新型コロナウイルス感染拡大です。ベトナム全土が厳格なロックダウンとなり、私とスタッフは約2週間、工場内に寝袋で泊まり込み操業を継続する日々。簡素な食事と不安の中でも、皆が「会社と仲間を守る」という思いで強く結束しました。今振り返っても忘れられない経験です。この危機をチームで乗り越えたこと、そして業績回復の達成感はその後の自信と成長の礎になりました。

海外駐在を経た今、自身の成長や仕事の幅にどのような影響があったのかを教えてください。

ベトナムでの8年間は、経営・営業・サプライチェーン・人事労務などほぼ全業務を経験する濃密な時間でした。自分一人の意思決定や現場の改善が、すぐに数字や会社の活力として返ってくる。「現場の小さな積み重ねが会社を変える」ことを体感できたのは大きな財産です。
また、丸ごとビジネスを任される環境で「自分が動けば組織や数字が動く」ダイナミズムを味わえたことや、文化の異なるスタッフと共に働くことでリーダーシップや柔軟性も格段に磨かれました。チームを信じて任せる、地味でも基盤を固める大切さを現場で学び、国内外問わずどんな環境にも適応できる“人財”になれたと思います。

帰国後は、日本国内で意匠性鋼板など先進商材の拡販、アジアを中心としたグローバル営業の強化に携わっています。ベトナム時代に作ったネットワークが新しいビジネスにつながっています。さらに若手社員の育成にも積極的に取り組み、自分の知見を次世代に引き継いでいくことも自分の新しい役割だと感じています。

今後の目標や展望について教えてください。

今後の目標は、これまでの現場経験や海外ネットワークを生かし、より高度で多様化するサプライチェーンの構築や新たなパートナーシップの展開など、事業そのものの進化を主導することです。ベトナムやアジアで培った知見をグローバル展開の起点とし、国内外の顧客や新市場へ新しい価値を届けていきたいと考えています。

また、これからは若手や多様な人財とともにチャレンジを続け、既存の枠にとらわれないビジネスの創出や新しい組織風土づくりにもいっそう関わっていきたいです。自分自身も変化し続けながら、現場と社会をつなげ、多様な人が力を発揮できるフィールドを広げていきたい、というのが私の今後の展望です。

(所属組織、役職名等は記事掲載当時のものです)

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