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優れた形態安定性を発揮する「メモリッチ・ウール」の共同開発および販売について

2010年06月09日

住金物産株式会社は、蛍光増白剤「メモリッチ・ホワイト」、吸湿発熱助剤「メモリッチ・ヒート」に続く新しい機能素材として、ウールの良さを損なわず、優れた形態安定性を発揮する防縮加工を施した『メモリッチ・ウール(MEMORICH WOOL)』を、中伝毛織株式会社(本社:愛知県一宮市、社長:中島 幸介)と宮田毛織工業株式会社(本社:愛知県一宮市、社長:宮田 智司)と共同で開発し、販売を開始いたしました。

ウールは、スケールと呼ばれる鱗(うろこ)状の表皮に覆われていて、このスケールが絡み合うことにより“縮み”という現象が起こります。“縮み”を少しでも軽減するため、従来は、薬剤でスケールの固定(バッピング)や除去(スケールオフ)をおこなう防縮加工が主流でした。

『メモリッチ・ウール』は、糸の段階で防縮加工を行い、スケールの成分であるタンパク質を改質することによりスケールに弾力性を付与し、スケールが絡み合うことを回避します。当該加工は、スケールが残るため、本来のウールの持つ風合いや弾力性、機能性を損なわずに優れた形態安定性を実現します。

『メモリッチ・ウール』を共同開発した中伝毛織㈱および宮田毛織工業㈱は、尾州産地において、梳毛・紡毛の布帛・ニット等、多種素材を自社設備(織機・編機他)で、小ロットから大ロットまで対応する能力を有しており、『メモリッチ・ウール』の加工に適した原料の選定や加工効果を最大限に引き出 すための織布、編立ての微妙な調整なども同様に行うことができます。

すでに、中伝毛織㈱は、紳士フォーマルウェア・紳士スーツ向けの新素材として『メモリッチ・ウール』の販売を開始しており、糸加工の技、織・編の技術、染色整理のテクニックなど“匠”たちの技を結集したテキスタイルブランド「尾州の匠®」に活かし、その価値を発揮しております。

住金物産は、機能素材、機能衣料製品の開発・販売を強化しており、昨年、耐光と耐酸に優れクリーンな白さを永く保つ蛍光増白剤「メモリッチ・ホワイト」、天然繊維の持つ吸湿発熱機能を効果的に高める吸湿発熱助剤「メモリッチ・ヒート」の販売を開始しました。
『メモリッチ・ウール』は、素材または製品として販売をおこない、素材ベースで、初年度2億円、3年後には10億円の販売を目指してまいります。

会社概要

(1)社名 中伝毛織株式会社

所在地 愛知県一宮市三条字郷内西1688
代表者 取締役社長:中島 幸介
事業内容 天然素材及び化合繊複合織物、ニット服地の製造
資 本 金 9,800万円
設立 1960年12月
従業員 132名

(2)社名 宮田毛織工業株式会社

所在地 愛知県一宮市定水寺字山ヶ作33番地
代表者 取締役社長:宮田 智司
事業内容 天然素材及び化合繊複合ニット服地の製造
資本金 1億円
設立 1966年1月
従業員 140名

以上