2025年 入社式挨拶
2025年04月01日
4月1日、東京本社で行われた当社社長中村による入社式挨拶を下記の通りお伝えいたします。
記
変貌を遂げつつある日本橋ビル群の谷間で、満開の桜が皆さんの門出を歓迎しています。63名の新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。まずは、皆さんの入社を心より歓迎し、お祝い申し上げます。
皆さんは、3年以上にも及ぶコロナ禍で高校・大学生活を送られました。この間に、生活様式の変化だけでなく、社会環境や経済環境も構造的に変貌しました。こうした状況下でも皆さんは、学業はもちろんのこと、クラブ活動やゼミ活動、さまざまなアルバイトや海外経験などを通して、多くを学んで成長されました。63名全員の自己紹介シートを拝見しましたが、皆さんの努力と成果をしっかりと読み取ることができました。そうした経験を糧に、社会人生活への大きな期待と当社で実現したい夢を抱き、本日この場に出席されています。そんな皆さんの希望に溢れるお顔を拝見し大変頼もしく感じています。そして、日鉄物産という舞台で皆さんの夢をかなえてあげたい、そのために精一杯のバックアップをしたいと心から思った次第です。
さてここで、当社グループの歴史と現況、そして今後の方針について少しお話しいたします。当社は2013年に住金物産と日鉄商事が合併して誕生しました。企業文化・風土の異なる2社でしたが、事業環境が変化する中でさまざまな課題を克服しつつ発展を遂げてきました。そして2018年度には、合併前2社単純合算と比較して経常損益過去最高益を挙げました。2社の融合・融和が完遂したと評価して良いかと思います。2019年度・2020年度は、コロナ禍の影響を受けて減益となりましたが、2021年度からは、「社会に貢献する強靭な成長企業の実現」を基本コンセプトとする中長期経営計画の達成に向けて、成長戦略の推進による持続的な利益成長の実現、人的資本経営の推進、ESG経営の深化、以上3点を主要施策として取り組んできました。
その結果、2021年度から3期連続で過去最高益を達成しました。当社グループは着実に力をつけ、一過性要因を除く実力損益で500億円を超える水準を確立し、中長期経営計画の最終年度を迎えています。まさに、成長局面に入ったと確信しています。
一方で、ビジネスを取り巻く環境は極めて不透明です。急激で振幅の大きな変化が矢継ぎ早に襲ってくる時代に突入しました。米国のトランプ政権が進める外交政策や関税政策をはじめ、中国経済の停滞やドイツやフランスなど欧州主要国の政治不安定化、ウクライナ・ロシア間の戦争長期化などが複雑に絡み合い、世界経済への影響はもちろん、当社が扱う商品の需給・価格・サプライチェーンにも影響を及ぼすことが想定されます。
こうした状況下ではありますが、いかなる環境変化があろうとも、企業は成長に向けた歩みを止めてはなりません。今年度は中長期経営計画の最終年度です。環境が激変する中で、いかに実力を発揮できるか、真価が問われています。中長期経営計画の完遂に向けて、当社グループ一丸となって取り組んでいきます。同時に、2026年度~2030年度の次期中長期経営計画を策定する年でもあります。成長局面に入った当社グループが、日本製鉄グループの真の中核商社として持続的成長をしていくための諸施策を検討し、2030年度の当社グループの姿を示していく予定です。そして、その実現に向けて、皆さんと共に歩んでいくこととなります。
以上、当社グループの歴史と現況、そして今後の方針についてお話しました。皆さん、当社グループが成長軌道を着実に歩んでいること、そして従来にも増して皆さんが活躍する舞台が大きく広がっていることをご理解いただけたでしょうか。
当社グループの主たる経営資源は「人」、つまりグループ社員全員です。そして、グループ社員の一人一人が日常業務を通して成長していくことが、当社グループの成長につながります。皆さんは本日その仲間に入られました。皆さんはまずは社会人生活に慣れ、職場の上司や先輩の教えを素直に聞いて仕事を覚え、一日でも早く戦力になっていただくことを願っています。
当社の「社員行動指針」のキーワードは「挑戦・成長・信頼・ボーダレス」です。皆さん、まずはこれを社会人生活の指針として常に行動してください。そしてこの社員行動指針を実行することにより、顧客の想いに応え続け、自らの手で新しい商品価値を作る、この道ではだれにも負けないプロフェッショナル集団となって欲しいと考えています。皆さん一人一人がプロフェッショナル人財になるために、当社では現場での教育訓練を徹底するとともに、多様な経験を通じて皆さんが学び、成長する環境を用意していますので、ぜひ自己成長を意識して取り組んでいただきたいと思います。
それぞれの職場で皆さんが成長されることを心から願っていますが、皆さんの成長を後押しすべく、私が大事にしてきたこと、そして若い人たちに常々伝えてきた3つのことを申し述べたいと思います。
一つ目は、「考える・判断する・実行する」を徹底的に実践していただきたいということです。現状の業務をより効率的・効果的に行うにはどうするか、環境変化のリスクにどう対応するか、会社の成長につながるチャンスは何か等々、知恵を絞っていただきたい。こうして絞り出した知恵を、皆さんもしくは組織として迅速かつ的確に判断して、信念を持って実行する。こうした動きが定着すれば、皆さんも成長し、組織の力は向上します。そして、必ずや当社グループの成長・発展につながります。私は当社グループの経営にあたって、「自ら責任を持ち、主体的に判断し、自主的に行動する時、人は最大の力を発揮する」という言葉を大事にしています。皆さんの主体性・自主性に大いに期待したいと思います。
二つ目は、失敗を恐れず、チャレンジ精神を持ち続けてほしいということです。仕事をしていく上では、いろいろな困難が待ち受けています。失敗することもあるでしょう。大事なのはその後です。「失敗は成功のもと」という言葉は、万人には当てはまりません。諦めてしまう人・逃げてしまう人は当然ですが、同じやり方でがむしゃらに挑み続ける人も成功には至りません。失敗の中に隠されている成功するための鍵を見つけた上で、強い心を持って再チャレンジすることが重要です。
三つ目は、人との出会いを大切にしていただきたいということです。皆さんはこれから多くの人との出会いを経験していくことになります。全ての出会いにおいて「一期一会」の精神を忘れず、誠意を持って人と接していただきたいと思います。こうした素晴らしい出会いの積み上げは、必ずや皆さんの財産となるはずです。その第一歩が、63名の同期の皆さんとの出会いです。かけがえのない同期の仲間との絆をしっかりと築き、これからの会社生活において、助け合い、時には競い合い、それぞれの夢の実現を目指していただきたいと願っています。
最後になりますが、改めて63名の皆さんの入社を心からお祝いし、私からの激励の言葉といたします。本日は誠におめでとうございました。健康に留意し、「共に、もっと」を合言葉に会社の持続的な成長に向けて頑張っていきましょう。
以上
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