社長就任あいさつ

2022年06月24日

当社グループ社員向けに行われた、中村新社長の就任あいさつを下記の通りお知らせします。


日鉄物産株式会社
代表取締役社長 中村 真一


   本日社長に就任致しました中村真一でございます。私は約40年間日本製鉄で鉄の営業に携わってまいりました。その間、当社の多くの方々と様々な場面で出会い、仕事をしてきたことを懐かしく思い出しております。今後、皆さんと共に歩んでいくことを楽しみにしておりますので、どうぞよろしくお願い致します。社長就任にあたり、私の所信を申し述べたいと思います。


  当社は2013年に住金物産と日鉄商事が合併し、2018年には三井物産グループの鉄鋼事業の一部を譲り受け、現在に至っています。この間事業環境が変化する中で、様々な課題を克服しつつ業績を伸ばし、着実に発展を遂げてまいりました。佐伯前社長をはじめ経営陣、グループ社員および労働組合の皆さんのご努力に対して、心より敬意と感謝の意を表したいと思います。

 さて、当社は現在、「社会に貢献する強靭な成長企業の実現」を基本コンセプトとする中長期経営計画の実行途上にあります。本計画二年目に社長の襷を受け取ることとなった私は、基本路線を継承し、本計画の完遂と更なる成長・発展に向けて全力を尽くす所存です。本日は、「中長期経営計画完遂に向けた当面の重点課題」と「当社の更なる成長・発展に向けた私の思い」についてお話ししたいと思います。  

  まずは、当面の重点取り組みとして皆さんに二点お願い致します。
  一点目は、「安全」「品質管理」「コンプライアンス」への万全の対応です。これらは、企業運営の土台であり、ひとたび重大事案が発生すれば、社員の幸せを奪い、取引先および関係者に多大の損失を与え、社会的信用は失墜し、企業存立の危機に直面することになります。皆さんはこれまでも地道に諸活動を展開されてきたとは思いますが、これらの活動に終わりはありません。改めて当社の最重要課題として、あらゆるリスクを排除すべく、諸活動の質の向上に努めていただくことを強くお願い致します。

  二点目は、中長期経営計画2023年度目標の前倒し達成です。昨年度は、目標を上回る連結経常利益478億円と過去最高益を計上しました。これは皆さんの努力の賜物ですが、鋼材価格上昇による一過性利益が剥落する今年度は、まさに実力を問われる年となります。当社は既に、今年度の連結経常利益見通しについて、2023年度目標を上回る430億円と公表しております。製造・販売拠点の再編・統合等の「事業基盤強化」と、新規需要捕捉・グローバル戦略の推進等の「成長戦略」を確実に実行し、目標を一年前倒して達成していただくことをお願い致します。

 次に、当社の将来像について私の思いを申し上げます。
  ビジネスを取り巻く環境は極めて不透明です。急激で振幅の大きな変化が矢継ぎ早に襲ってくる、そんな時代に突入したと認識せざるを得ません。米中の覇権争い、新型コロナ感染の周期的な拡大、カーボンニュートラルの動きの本格化、グローバルサプライチェーンの混乱、そしてウクライナ危機等が複雑に絡み合い、世界の経済活動は大きく変動し、エネルギー価格をはじめとする諸物価は高騰し、為替・金利も急速に動いています。さらに今後、社会構造や産業構造が大きく変貌していくことも想定されます。

  こうした状況下ではありますが、いかなる環境変化があろうとも、企業は成長に向けた歩みを止めてはなりません。立ち止まって現状維持に甘んじた時から、衰退の道を辿ってしまった企業の例はいくつもあります。企業の成長戦略・理想像については多くの指南書や文献が巷に溢れていますが、私はある著名な経営者のシンプルな言葉が好きです。彼は理想的な企業について問われ、こう語りました。「社員一人ひとりの目標の延長線上に、企業の目標もある。そういう姿が最も望ましい」と。社員個人の主体性・自主性に大きな信頼を置いた経営思想だと私は理解しています。私も、「自ら責任を持ち、主体的に判断し、自主的に行動する時、人は最大の力を発揮する」という強い信念を持って、当社の経営にあたりたいと考えています。


  当社の主たる経営資源は「人」、つまり皆さんです。鉄鋼、産機・インフラ、食糧、繊維の4事業、および企画管理本部で働くグループ社員の皆さんなのです。皆さん一人ひとりが日常業務を通して成長していくことが、当社の成長に繋がるのです。与えられた業務を納期通りに仕上げることは仕事の基本ですが、これだけでは人は成長しません。日常業務の中で、「考える・判断する・実行する」を徹底的に実践していただきたいと思っています。
  まずは、現状の業務をより効率的・効果的に行うにはどうすれば良いかを考え、実行可能と判断したらすぐに実行に移すよう心掛けて下さい。さらに、リスクに備える「事業基盤強化」とチャンスを掴む「成長戦略」の新たな発掘に知恵を絞って下さい。皆さんが絞り出した知恵を組織の中で議論し、組織の長は迅速かつ的確に判断し、組織の総力を挙げて実行する。こうした動きが定着して、社員一人ひとりが成長し、組織の力が向上し、「事業基盤強化」と「成長戦略」の二つのエンジンが自律的・継続的に回っていく時、当社は更なる成長・発展を遂げていくものと確信しています。
 もちろん私自身、皆さんと一緒になって「考える・判断する・実行する」を日々実践し、「社会に貢献し成長し続ける商社、日鉄物産」の具体的な姿を描いていくつもりです。加えて、皆さんの自己研鑽を支援すべく、働きやすい職場・働き甲斐のある仕事の実現や人材育成の諸施策を推進して参ります。


  最後になりますが、皆さんの益々の活躍と奮闘を期待し、当社の限りなき成長・発展を祈念して、私の社長就任の挨拶と致します。
  ご清聴ありがとうございました。