2020年 年頭挨拶

2020年01月06日

 

1月6日、東京本社で行われた当社社長佐伯による年頭挨拶を下記の通りお伝えします。





皆さん、明けましておめでとうございます。

2020年の幕が開きました。その年頭にあたりまして、皆さんにご挨拶させていただきます。

まずは、皆さんとともに清々しい新年を喜び合うとともに、これまでの会社の業容拡大・安定成長に対する社員の皆さんの多大なるご努力に心より感謝申し上げる次第であります。

米中貿易摩擦が少し落ち着きを見せ始め、ブレグジットもその方向が明確となり、今年の世界経済の回復、成長を心から期待し願うものですが、保護主義・自国第一主義の継続、中東・朝鮮半島・香港などの政治情勢、金融緩和政策余地の限界などを考えると、予断は許されない状況です。

国内は昨年の実質GDPの成長率1.0%前後に対して、今年は0.5%程度との予測が多く、モノからコトへ、所有からレンタルへという社会消費構造の変化の中で、製造業などを中心に厳しい環境が続くと考えざるをえません。

このような中、当社グループの目指すべき方向は持続的安定成長であり、さらなる企業価値向上、プレゼンスの向上であります。その目的は社会のため、ステークホルダーのため、そしてなかんずく我々社員自身のために、であります。

そのためにやるべきことも、明々白々であり、足元2019年度予算、2020年度を最終年度とする現中期経営計画の達成・成就であり、さらなる成長戦略の検討、実行、実現です。

計画の達成に向けては、事業環境の悪化の中で、従来の事業戦略、営業戦略の補強に加えて、コストなど、今一段の改善努力が必要です。従来の改善努力で限界のある組織・事業体はさらに踏み込んだ対策を検討・実行するべく、昨年末に社内各部門に指示したところであります。

また、さらなる企業価値向上、成長戦略については、デジタル、グローバル、サステナブルをキーワードに、各本部とともに議論・検討を深めることとし、これも昨年末にお願いしたところです。

ここで各本部の皆さんに今年のテーマとお願いを申し上げます。

鉄鋼事業本部においては、鉄鋼を取り巻く事業環境は国内需要の減少、海外市況の低迷などに見舞われる中で、非常に厳しい状況にあるといえますが、会社の屋台骨を支えるべく、計画の達成に向け全力で取り組んでもらいたい。強化拡充してきた国内外のバリューチェーンの機能を最大限に発揮した販売数量の確保、三井物産グループ、NST日本鉄板(株)とのシナジーの徹底追及、そして収益改善努力に注力していただきたい。とりわけ鉄鋼事業本部は赤字の事業体、低採算組織が目立ちます。

事業戦略練り直しの中で、従来の考え方に捉われることなく営業コスト、管理コストの削減にも徹底的に取り組んでもらいたい。さらには、再編・統合・撤退なども躊躇なく果断に実行していく必要があります。そのうえで、次なる成長に向け、デジタル化戦略、海外インサイダー化戦略などポスト現中期経営計画の検討をお願いしたい。

産機・インフラ事業本部においては、グローバル・ニッチトップを目指し、4つのビジネスユニットのさらなるレベルアップをお願いしたい。機能マテリアルはアルミ・炭素繊維などの販売拡大と仕入ソース多様化、そして機械鉄道や自動車産機品の新規商材拡販、インフラのベトナム・メキシコ工業団地販売、さらには太陽光発電などで収益の上積みをお願いしたい。課題はGHS事業でありますが、これは収益改善が至上命題です。それを確かなものとしたうえで、次なる業容拡大・グローバル成長戦略を検討いただきたい。

繊維事業本部においては、「川中価値再構築」の集大成の年として、デジタルテクノロジーを駆使した業務の効率化、意思決定の迅速化により、企画提案力、生産・物流・販売力をさらに進化させ収益計画の確実な達成をお願いしたい。(株)シンボル、(株)メイキップ、シタテル(株)様などとのデジタル系スタートアップ企業との資本・業務提携を実行してきましたが、今年はその成果を刈り取る年としてください。そして中国はじめ海外販売、新たなマーケット販売手法に積極的にアプローチするとともに、さらに大きな成長を求め、次なる事業投資、アライアンスの検討、推進をお願いしたい。

食糧事業本部においては、フードバリュークリエイター構想実現に向け、販売拡大、供給先確保、環境配慮型商品の開発に強力に取り組んでもらいたい。昨年コスモフーズ(株)を買収しましたが、このような案件の積み重ねを含めて国内販売基盤のさらなる拡充、そして米国、中国、タイに続く海外販売拡大による収益最大化をお願いしたい。さらに海外供給先との資本・業務提携などによる食肉供給力の確保が必要です。また、フローラポーク、植物性代替肉の商品化など、事業の拡大・成長を追及していただきたい。

企画管理本部においては、各事業本部の施策への支援・提案機能を最大限発揮するとともに、デジタルトランスフォーメーション対応、サステナブル対応を含め新たな企業価値創造や自律的内部統制力強化に向けてグループ全体を強力にリードしていただきたい。また、全社業務運営刷新に向け、その範を垂れるべく、企画管理本部全業務の棚卸しを行い、徹底した「重点化、簡素化、高度化」を追及してください。

各本部へのテーマ・お願いを申し上げてまいりましたが、各部門・事業体が作った計画を完遂することは勿論、4事業そして全社一丸となって全社計画の達成、成長戦略の実現に邁進いただきたいと考えます。

そして、今年も安全・品質・コンプライアンスは最優先で取り組んでまいります。

安全については、昨年の成績は、関係者皆さんの懸命な努力によって、一昨年に比べて災害件数は減ってきましたが、まだまだです。なぜ災害が発生するのか。ルールが守れていないということがほとんどの災害に共通しています。「全員がルールを守り切る」べく、見守りカメラの有効活用などでその仕組みを徹底構築してください。

品質管理は完璧が求められます。お客さまの要求通りの仕様で間違いなく届けるべく、受注・発注、加工、出荷・納入の業務標準、チェックシステムを入念に再点検し、徹底していただきたい。

コンプライアンスについては、当社は監査部監査を厳格に行う一方で、各組織・各事業体における自律的な内部統制という考え方の中で、法令遵守、ルール遵守を定着させてきております。当社グループ全社員が誇りを持って、一人ひとりが意識高く健全な業務遂行をお願いしたい。

働き方改革への取り組みも定着してまいりましたが、さらなる業務効率化と生産性向上を図り、自ら戦略的にマネージする仕事、クリエイティブな仕事の割合を増やすことで、仕事のやりがい・働きがいを見出すとともに、生活面でも育児・介護、趣味、自己啓発に充実した人生を送っていただきたいと思います。21年度後半には、本社の移転を計画しております。新オフィス検討プロジェクトチームも設置しました。理想とすべきオフィス、そして目指すべき働き方の実現に向け、ハード、ソフト両面において、社員の皆さんとともに知恵を絞り、最善を尽くしてまいりたいと考えます。

以上縷々(るる)申し述べてまいりましたが、本年も当社グループの大いなる飛躍を目指し、私自身、一意専心、最大限の努力を傾注していく決意であり、皆さんのさらなる奮闘努力を期待お願いするところであります。

今年が当社グループにとって、そして皆さま方にとって輝かしい一年となることを祈念して、私の年頭のあいさつといたします。

ご清聴ありがとうございました。

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以上