2023年 入社式挨拶

2023年04月03日

4月3日、東京本社で行われた当社社長中村による入社式挨拶を下記の通りお伝えいたします。

                                       記

 皆さん、入社おめでとうございます。本日34名の方々に入社いただき、こうして皆さんの希望に溢れるお顔を拝見し、大変嬉しく思っています。心より歓迎し、お祝い申し上げます。

 皆さんは、3年以上にも及ぶコロナ禍で学生生活を送られました。さまざまな行動制限が設けられる中、学業やクラブ活動はもちろんのこと、就職活動においても多くの困難に直面されたことと思います。しかしながら、皆さんはご自身の努力でこれを乗り越え、本日、社会人生活への大きな期待を抱き、この場に出席されています。私は、皆さんが書かれた自己紹介シートを全て読ませていただきました。皆さんそれぞれが、これまで打ち込んできたこと、そこから得た自信、そして当社で実現したい夢を熱く語っておられました。私は大変心強く、そしてうれしい気持ちになったと同時に、皆さんが夢を実現できるよう精一杯のバックアップをしたいと心から思った次第です。

 さてここで、当社グループの現況と今後の方針について少しお話しいたします。

 当社グループは、鉄鋼、産機・インフラ、食糧、繊維の4つの事業セグメントが、それぞれの業界でトップクラスの競争力を持った事業を展開しています。それぞれの事業の更なる成長はもちろん、デジタルシフトへの対応、気候変動問題・サステナブル課題への取り組み等の社会的使命も果たしつつ、企業価値向上を図るべく日々挑戦を続けてきました。

 一方で、ビジネスを取り巻く環境は極めて不透明です。この数年を振り返っても、急激で振幅の大きな変化が矢継ぎ早に襲ってくる時代に突入したと言えます。更に今後、社会構造や産業構造が大きく変貌していくことも想定されます。

 こうした状況下ではありますが、いかなる環境変化があろうとも、企業は成長に向けた歩みを止めてはなりません。当社グループは現在、「社会に貢献する強靭な成長企業の実現」を基本コンセプトとする中長期経営計画の実行途上にあります。強靭な企業体質を構築すること、持続的な利益成長を実現すること、環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組み深化、の3点を重点施策として取り組んでいるところです。

 そして、グループ社員一丸となった努力が実を結び、2021年度の経常利益は478億円と過去最高益、2022年度上期の経常利益も270億円と半期として過去最高益を計上することができました。現時点では中長期経営計画の目標を上回り、着実に成長軌道を歩んでおります。

 こうした中、昨年12月、内定式を終えた皆さんに驚きの一報が入ったことと思います。日本製鉄が当社株式の公開買付けを開始し、成立後、当社は上場を廃止し日本製鉄の子会社となるという知らせでした。皆さんはさぞかし驚かれたでしょうし、不安を抱かれた方もおられるかもしれません。

 しかしながら、不安を抱く必要は全くありません。私たちは、当社グループにとって大きなチャンスが到来したと捉えています。主力事業である鉄鋼事業において、当社グループと日本製鉄は高い次元で情報および営業戦略を共有することが可能になります。そして、お互いのノウハウ・インフラを最大限に活用し、迅速かつ適正に戦略実現に向けて取り組むことにより、当社グループの事業拡大・競争力強化・収益拡大に大いに資すると考えています。

当社グループは日本製鉄グループにおける真の中核商社として、更なる成長に向けた新たなステージに立つことになります。これは皆さんにとって、活躍する舞台が大きく拡がることとなります。2023年度は当社グループにとって大きな転機の年となるでしょう。皆さんはそうした特別な年に入社されたということを頭に刻んでいただきたいと思います。

 以上、当社グループの現況と今後の方針についてお話しました。当社グループの主たる経営資源は「人」、つまりグループ社員全員です。そして、グループ社員の一人ひとりが日常業務を通して成長していくことが、当社グループの成長につながります。皆さんは本日その仲間に入られました。皆さんはまずは社会人生活に慣れ、職場の上司や先輩の教えを素直に聞いて仕事を覚え、一日でも早く戦力になっていただくことを願っています。その後はそれぞれの職場で皆さんが成長されることを心から願っていますが、皆さんの成長を後押しすべく、私が大事にしてきた3つのことを申し述べたいと思います。

 一つ目は、「考える・判断する・実行する」を徹底的に実践していただきたいということです。現状の業務をより効率的・効果的に行うにはどうするか、環境変化のリスクにどう対応するか、会社の成長につながるチャンスは何か等々、知恵を絞っていただきたい。こうして絞り出した知恵を、皆さんもしくは組織として迅速かつ的確に判断して、信念を持って実行する。こうした動きが定着すれば、皆さんも成長し、組織の力は向上し、必ずや当社グループの成長・発展につながります。私は当社グループ経営にあたって、「自ら責任を持ち、主体的に判断し、自主的に行動する時、人は最大の力を発揮する」という言葉を大事にしています。皆さんの主体性・自主性に大いに期待したいと思います。

 二つ目は、失敗を恐れず、チャレンジ精神を持ち続けてほしいということです。仕事をしていく上では、色々な困難が待ち受けています。失敗することもあるでしょう。大事なのはその後です。「失敗は成功のもと」という言葉は、万人には当てはまりません。諦めてしまう人・逃げてしまう人は当然です。更に、がむしゃらに同じやり方で挑み続ける人も成功には至りません。失敗の中に隠されている成功するための鍵を見つけた上で、強い心を持って再チャレンジすることが重要だと思います。

 三つ目は、人との出会いを大切にしていただきたいということです。皆さんはこれから多くの人との出会いを経験していくこととなります。全ての出会いにおいて「一期一会」の精神を忘れず、誠意を持って人と接していただきたいと思います。こうした素晴らしい出会いの積み上げは、必ずや皆さんの財産となるはずです。その第一歩が、34名の同期の皆さんとの出会いです。かけがえのない同期の仲間との絆をしっかりと築き、これからの会社生活において、時には競い合い、時には助け合い、それぞれの夢の実現を目指していただきたいと願っています。

 最後になりますが、改めて34名の皆さんの入社を心からお祝いし、私からの激励の言葉といたします。本日は誠におめでとうございました。共に頑張っていきましょう。


以上